任意後見契約とは?任意後見人が不動産売却する方法について

2023-01-23

任意後見契約とは?任意後見人が不動産売却する方法について

この記事のハイライト
●任意後見制度とは判断能力が低下したときに備え、不動産売却などの手続きをおこなう後見人を立てる制度
●任意後見人がいれば、判断能力が低下しても不動産売却する方法がある
●任意後見人が不動産を売却処分する際のポイント


不動産の売買は通常、所有者本人がおこなわなければなりません。
しかし判断能力が低下したときに備え、任意後見人を選んでおけば、本人に代わって契約手続きが可能です。
そこで不動産売却や処分を検討しているなら知っておきたい、任意後見制度とはどのようなものなのか、手続き方法とともに確認していきましょう。

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不動産売却で知っておきたい任意後見制度とは?

不動産売却で知っておきたい任意後見制度とは?

任意後見制度とは、本人と受任者との間で任意後見契約を結ぶ制度のことです。
本人が十分な判断能力を有するうちに、任意後見人となる方と委任する事務の内容を、公正証書による契約で定めておきます。
そして将来的に本人の判断能力が不十分になったとき、任意後見人が本人に代わり、不動産売却など委任された行為をおこないます。
契約の締結方法は、本人が公証役場に出向く必要がある点に注意してください。
ただし病気などで出向けない場合は、公証人が自宅や役場まで出張して公正証書を作成できます。
その際は作成にかかる諸費用に加え、手数料や日当・現場までの交通費が加算されます。

任意後見人の条件

任意後見人とは、弁護士や司法書士などの専門家だけでなく、成人なら親族や友人でも指定できるものです。
ただし、法律でふさわしくないと定めた事由のある方(破産者、本人と訴訟した方、不正行為・著しい不行跡など任務に適しない事由のある方)は、指定できません。

任意後見人の役割

任意後見人には、財産の管理や介護・生活面を手配する役割があります。
たとえば要介護認定にかかる諸手続きや、介護・医療サービスの契約、各種費用の支払いなどが含まれます。
なお任意後見契約は、本人と後見人との間で交わされる契約です。
したがって双方の合意があれば、法律の趣旨に反しない範囲で、自由に契約内容を決められる特徴があります。

任意後見監督人とは?

契約した内容が開始されるのは、家庭裁判所によって任意後見監督人が選任されたあとです。
任意後見監督人とは、後見人による仕事が適正におこなわれているのかをチェックする人物のことです。
家庭裁判所は監督人からの報告を通じて、間接的に後見人の行為が適正であるかどうかを判断しています。
なお任意後見監督人の性質から、弁護士や司法書士といった専門家から選任されるのが一般的です。

法定後見人との違い

任意後見人と似たものに、法定後見人があります。
法定後見人とは、すでに本人の判断能力が低下したあと、後見人や補佐人、補助人を立てる方法のことです。
親族らによる家庭裁判所への申し立て後、審判が確定してから効力が発動します。
法定後見人が決定した時点で、本人はすでに判断能力を喪失しています。
そのため任意後見人と異なり、本人の希望が反映される余地はありません。
ただし判断能力が低下しているかどうかは、医師の診断書や関係者の意見を参考に判断されます。
そこで衰えの程度が軽く、契約締結能力がまだ残っていると判断されると、任意後見契約を締結できる場合もあります。
あるいは法定後見人の同意または代理によって、任意後見契約を締結することも可能です。

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任意後見契約により不動産売却する方法とは?

任意後見契約により不動産売却する方法とは?

任意後見契約を結ぶためには、まずは公証役場にて公正証書を作成します。
公正証書を作成すると、法務局の後見登記ファイルに任意後見契約の登記がなされます。
なお公正証書の作成にかかる費用は、以下のとおりです。

  • 公証役場の手数料:1契約につき11,000円
  • 法務局に収める印紙代:2,600円
  • 法務局への登記嘱託料:1,400円
  • 書留郵便料:約540円
  • 正本・謄本の作成手数料:1枚250円

そして任意契約によって不動産売却するためには、通常の売買に関する書類以外のものも必要です。
売主となる後見人が本人に代わって用意するのは、主に以下の必要書類です。

  • 登記済証もしくは登記識別情報
  • 後見登記事項証明書(後見人の代理権限を示すもの)
  • 任意後見人の印鑑証明書(3か月以内に取得したもの ※本人の印鑑証明書が必要な場合もあるため、事前に管轄の法務局へ確認するのがおすすめです。)
  • 固定資産の評価証明書
  • 本人の住民票など住所証明情報(登記簿上の住所と現住所が異なる場合)

代理権目録を作成する

後見人ができるのは、任意後見契約によって定められた行為に限られます。
そのため不動産売却については、代理権目録に記載されているかどうかで判断してください。
なお不動産売却を含む、住居に関連する事項には主に以下のものがあります。

  • 居住用不動産の購入
  • 居住用不動産の処分
  • 借地契約の締結・変更・解除
  • 借家契約の締結・変更・解除
  • 住居等の新築・増改築・修繕に関する請負契約の締結・変更・解除

たとえば本人が、老後は介護施設で過ごしたいと考えているとします。
すると居住用不動産の処分や、借地契約・借家契約に関する事項を、代理権目録に記載する必要があるでしょう。
また上記の効力を発揮するにあたり、同意特約を付与することも可能です。
同意特約とは、代理権目録に記載された行為を実行する際は、任意後見監督人による書面の同意を必要とするものです。
そのため不動産売却のような重大行為については、同意特約を付与しておけばより適正な扱いを期待できるでしょう。

不動産を売却する際の注意点

代理権目録に記載された行為について、後見人は家庭裁判所の許可を得ずに実行できます。
ただし不動産を処分するような重大行為は、同意特約の有無に関わらず監督人と協議しながら進める方法がおすすめです。
また本人の財産を保護するため、少しでも高く売る努力も求められます。
そこで不動産会社とも連携しながら、売却活動を進めていきましょう。
リアルスター株式会社では、江戸川区、浦安市、市川市での不動産売却のご相談を受け付けております。


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任意後見人が不動産売却で物件を処分する方法

任意後見人が不動産売却で物件を処分する方法

不動産売却では、売買契約だけでなく登記手続きもしなければなりません。
そこで後見人が物件を処分するため、任意後見契約でもその旨を記載しておく必要があります。
なお後見人の代理権限については、後見登記事項証明書で確認できます。
ただし監督人が選任される前(任意後見契約の効力が生じていない場合)と、選任されたあと(任意後見契約の効力が生じている場合)では、記載内容が異なるので注意してください。
基本的に後見人が不動産を処分できるのは、監督人が選任されたあとになります。

任意後見人には善管注意義務がある

善管注意義務とは、「善良なる管理者の注意義務」を意味します。
任意後見人においては、本人の意思を尊重し、利益を守る義務があります。
もし本人名義の不動産をやみくもに売却処分してしまうと、なんらかの不利益が生ずるかもしれません。
そのため物件を処分するにあたっては、相応の理由が必要です。
たとえば施設への入所費用や医療費を捻出するためなど、本人が今後の生活を営むうえでやむを得ない事情があるときに、代理権を行使するべきだと考えられます。
また不動産売却にあたっては、少しでも本人に有利な条件で取引できるように努力するべきであるとも考えられています。
そのため相場より安い価格で売却するなどの行為は、利益相反行為になるため注意してください。

まとめ

任意後見制度とはどのような仕組みなのか、不動産売却時の活用方法とともにご紹介しました。
本人の判断能力が低下したときに備え後見人を指定しておけば、将来的な不動産売却も、スムーズにおこなえるでしょう。
江戸川区、浦安市、市川市で不動産売却をご検討中の方は、リアルスター株式会社の無料査定依頼をご利用ください。

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